
メッセージの伝え方
Lesson6-3 採用ステップ③で、
自社の魅力や強みを洗い出しましたね。
それを、求職者に適切に伝えるのも採用を成功させる
大切なポイントとなります。
「適切に伝える」とはどういうことでしょうか。
それは、
- 自社の魅力・強みのどれを
- どのタイミングで
伝えるのか、ということです。
伝えたいメッセージを求人票で伝えるのか、
それとも会社説明会で伝えるのか、
適切なタイミングで伝えられれば、
候補者への伝わり方も印象も変わってきます。
そのためには、次のように採用プロセス上で、
候補者(ペルソナ)の目線になって考えてみましょう。
| エントリー前 | 候補者が自社を認知した時、どのような気持ちになっていると良いか。 そのためには求人票のコピーをどうすれば良いか。 |
| エントリー | 候補者が自社にエントリーしたいと思うには、 どのような気持ちになっていると良いか。 そのためには求人票の文面がどのような文だと心に響くか。 |
| 会社説明会 | 候補者が面接に進んでみたいと思うには、どのような説明をすれば良いか。 どのような体験をしてもらったら良いか。 |
| 面接 | 候補者が選考を進みたいと思うには、どのようなことを面接で話せば良いか。 |
| 内定 | 候補者が入社したいと思うには、どのようなフォローや体験が必要か。 |
応募から入社までの採用プロセスを、
候補者の視点になって考えてみれば、
いつ、どのメッセージを伝えれば良いかが、
よりはっきりと見えてくるでしょう。

メッセージ+体験
候補者に自社の正しいイメージを持ってもらうためには、
メッセージ(言葉)だけでは不十分なことがあります。
言葉だけでは、
受け取る相手によって認識が異なってしまうからです。
例えば「おいしいリンゴ」と聞いて、
あなたはどのようなりんごをイメージしますか。
赤いリンゴか、青いリンゴか。
甘酸っぱいリンゴか、蜜がたっぷりのリンゴか。
リンゴ1つとっても、人それぞれイメージするものは異なります。
採用の現場では、
「風通しの良い職場」という表現をよく見かけますね。
「風通しの良い職場」とはどのような職場でしょうか。
- 社員同士が仲が良い。
- 上司や先輩に相談しやすい雰囲気。
- 部署の垣根がない。
- 自分の意見を発言しやすい。
など、受け取り手によってイメージはさまざまです。
では、どのようにしたら
「こんなに風通しの良い職場なら、自分も働いてみたい」
と候補者に思ってもらえるでしょうか。
例えば、
「面接の時に上司とともにそこに所属するメンバーも同席し、
いつものように会話をする。その様子を候補者に見てもらう」
「面接後に職場見学を実施して、社員が働いている様子を見てもらう」
などの体験があると、よりイメージが具体的になるでしょう。

このように実際に目で見て、体験してもらうことで、
会社が伝えたいメッセージを本当の意味で
候補者に理解してもらうことができるのです。
メッセージに一貫性を持たせる
あなたの会社の採用メッセージには一貫性がありますか。
求人票で書かれているメッセージと実際が異なると、
候補者は違和感を感じます。
コミュニケーションで使う情報は、
- 言語情報
- 視覚情報
- 聴覚情報
の3つがありますが、視覚情報がもっとも相手に影響を与え、
続いて聴覚情報、最後に言語情報となります。
上の「風通しの良い職場」の例で言うと、
求人の文面で「風通しの良い職場」と伝えるのが言語情報、
面接や職場見学が視覚情報、聴覚情報となります。
つまり、体験してもらった時の方が影響は大きくなるのです。
さらにその「体験」が先に得ていた言語情報と異なると、
候補者の関心は一気に薄れ、信用も失う可能性があります。
これでは入社を見合わせてしまうでしょう。
たとえ入社をしたとしても、入社後の違和感は消せません。
そのようなことが起こらないように、
伝えるメッセージはよく吟味し、
伝えるからには全ての面において一貫性を持たせるように注意しましょう。
Lesson7では、良い人材を採用するためのポイントについて
解説してきました。
Lesson6で学んだ採用の流れを考える時、
このLesson7で解説したポイントも考慮しながら、
計画を立ててみてください。
次のLesson8では、採用面接について学習していきましょう。

