
採用選考においては、
面接は非常に重要な選考ポイントとなります。
書類だけでは判断できない、
仕事への意欲や問題解決能力、
企業理念への共感、そして人柄などを、
実際に直接会って確かめる機会だからです。
また、情報化により、人と話す機会は昔よりも減っています。
こうした環境の中で、しっかりした受け答えができるか、
ちゃんとコミュニケーションが取れるかなども、
見極めるポイントとなります。
書類選考をしない会社はあっても、
面接をしない会社はほとんどないでしょう。
しかし、面接は書類選考とは異なり、
面接官によって評価がぶれやすく、
判断が難しいのが採用担当者の悩みの種です。
面接は、ただ質問をするだけの機会ではありません。
求める人材を採用するためには、一定の知識と経験が必要になるのです。
Lesson8では、求める人材を採用するための面接のポイントについて、
学習をしていきましょう。
面接の目的
面接をする前に、まずは面接の目的をしっかり確認しておきましょう。
面接には、次の3つの目的があります。

① 選ぶ(応募者を見極める)
「選ぶ」というのが面接での主な仕事となります。
履歴書や職務経歴書は、
書き方のマニュアルに沿って仕上げれば、
それなりに見えます。
面接では短時間の中で、
書類だけでは判断できなかった人柄や、
聞く姿勢、話し方、表現力などのコミュニケーション力も見ることができます。
また、応募書類の内容について質問がある時も、
面接で確認することができます。
② 選ばれる(候補者の志望度を高める)
採用は、会社が候補者を選ぶだけではなく、
候補者に会社を選んでもらう機会でもあります。
面接の機会を利用して、
会社が求める人材に「入社したい」と思ってもらえるように、
会社の魅力を伝えなければなりません。
そのためには一方的に質問をするだけではなく、
候補者と対話するように心がけることも重要です。
③ 企業の顔となる
応募者は、会社のことを求人票やホームページで知っているだけで、
会社で働く人と実際に会って話す機会はありません。
つまり応募者にとっては面接官を通して、
初めてその会社で働く人を知ることになります。
面接官の対応が良ければ会社への印象が良くなりますし、
対応が悪ければ会社への印象は悪くなります。
面接官は企業の顔であることを忘れずに、
態度、言動には細心の注意を払い、
応募者が気持ちよく面接を受けられるように気を配りましょう。
面接官の心得
面接官の心得としては、まずは上ですでに学んだ通り、
会社の顔であることを忘れずに、
身だしなみや態度に気をつけましょう。
そしてもう1つ大切なことは、
応募者と同じ立場であることを意識して面接を行うことです。
この講座を受けているみなさんの中には、
上から目線の面接官から、面接を受けたことがある人がいるでしょう。
そのような態度は間違いです。
目の前の応募者は「会社に入社する候補者」であり、
一緒に働く仲間になる可能性があるのですから、
自分は先に入社した先輩として、相手と話をしてみましょう。
具体的には、次のように心がけてみてください。

質問攻めにしない
面接ではなるべく自然なコミュニケーションになるように気をつけ、
質問攻めにしないようにします。
たくさん質問をして短い時間で候補者について知りたいのはわかりますが、
質問攻めにすると相手は萎縮します。
最悪の場合「圧迫面接」をされたと思われ、
求めていた人材であったのにもかかわらず、
内定辞退されてしまう可能性も否めません。
またSNSで〇〇会社に圧迫面接をされたと書き込まれては、
一気に拡散してしまう恐れもあり、他の候補者にも影響が及びます。
共感する
面接官は、質問をして応募者がそれに対して答えたら、
一度はその回答を受け入れてあげてください。
「受け入れる」を表す行動としては、
うなずく、その回答に対して肯定的な返答をする、などです。
例えば、
「目標に向かって頑張ったんですね」
「良いチームメンバーに恵まれていたんですね」
といった、相手を認めるような返答です。
面接官がこのような態度に努めることで、
応募者に、
「この会社は自分のことを理解してくれた」
「本音で話せたような気がする」
と思ってもらうことができます。
そして本音で話し、理解をしてもらえると、
応募者にとっては居心地良く感じるものです。
こうした面接官の対応は、
応募者の会社に対する志望度を高めることにも役立ちます。
面接選考のポイントとして、
面接担当者が知っておくべき面接の目的と、
面接官の心得について解説しました。
面接担当者として経験を積んでいく中でも、
このレッスンで学んだことを忘れずに、
常に初心に戻って面接をすることを心がけましょう。
次のページでも、引き続き面接について学習を進めます。

