
オンライン面接
オンライン面接はコロナの影響で一気に広まり、
選考に取り入れている企業は多くなりました。
オンライン面接のメリットは、
面接会場を準備するための時間や、
それに割かなければならない人件費を削減できるという点にあります。
また遠方に住んでいる求職者など、
対面の面接では難しい場合にも実施することができます。
さらにコロナの影響で、感染対策ができているかということも、
応募者が企業に求めるポイントとなるので、
オンライン面接は企業イメージの向上にも貢献します。
一方で、画面越しでの面接は、
対面よりもお互いに雰囲気や表情がわかりにくいという
デメリットがあります。
また職場の雰囲気を見せることができないので、
応募者の志望度を高めるのも難しいでしょう。
こういったメリット・デメリットを考慮して、
オンラインと対面のハイブリッド型を導入する企業が多いようです。
例えば一次面接、二次面接をオンラインで実施して応募者を見極めて絞り込み、
最終面接を対面で実施して、
候補者の自社への志望度を高めるという方法があります。
面接の注意点
Lesson8では、面接について学習をしてきました。
面接官の心構えから面接の流れ、
人材の可能性を見抜くための質問術など、
さまざまなことを学びましたね。
このレッスンの最後に、
面接での注意点について触れておきます。
これもまた、面接を担当するのであれば必ず知っておくべき内容です。
認知バイアス
認知バイアスとは、物事の判断をする時に、
これまでの経験にもとづく先入観(思い込み、直感など)により、
非合理的になってしまう心理現象のことを言います。
認知バイアスには種類があり、
そのうちのいくつかは面接にも影響を及ぼします。

確証バイアス
確証バイアスは、
多くの情報があるにも関わらず、
自分の経験にもとづいた仮説を立て、
その仮説を立証する情報ばかりを集めてしまい、
異なる意見や情報は無意識のうちに軽視、無視してしまうことです。
例えば、次のような確証バイアスがあります。
- 第一印象が良かったから、書類でも良い点ばかりに注目して採用してしまう
- 有名大学出身だから仕事もできるに違いないと思い込む
- 容姿が良いから営業向きだと決めつける
確証バイアスを回避するためには、
あえて反対意見や情報を探したり、
常に自分の考え方に疑問を抱くようにするなどの姿勢が大切です。
類似性効果
類似性効果も認知バイアスの1つです。
これは自分に似ている人(出身地、学歴、容姿、性格など)に好感を抱き、
評価を高くしてしまう現象です。
類似性効果は自己肯定感にも関係しており、
特に自己肯定感が低い人は、
自分と同じようなタイプの人を見て「自分は間違えていない」と安心感を求める
傾向が強くなります。
このようなバイアスが存在している、と知っておくだけで、
いつも自分は大丈夫かと、省みることができるようになります。
しかしながら、これらの心理現象が働くのは、
人間としてはある意味仕方のないこと。
人が人を評価するというのは限界があるので、
適性検査に任せた方が良い部分もあります。
面接で聞くべきではない質問

企業の採用は、必ず公正に行われなければなりません。
面接では質問してはいけないこともあるので、
確認しておきましょう。
本人に責任がない事項
本人に責任がないことについては聞くべきではなりません。
具体的には次の項目になります。
- 本籍
- 家族
- 住宅
- 生活・家庭環境
に関することです。
質問としては、次のような質問は避けましょう。
- 両親の仕事は何ですか。
- 両親の出身地はどこですか。
- 自宅は持ち家ですか。
本来自由であるべき事項
本来自由であるべきことも、聞かないようにしましょう。
具体的には次のような項目になります。
- 宗教
- 支持政党
- 人生観・生活信条
- 尊敬する人物
- 思想
- 労働組合
- 購読新聞・雑誌・愛読書
次のような質問は避けましょう。
- 信仰している宗教はありますか。
- 支持している政党はどこですか。
- 愛読書を教えてください。
- 結婚や出産の予定はありますか。
特に愛読書や結婚・出産については、
面接で質問することはNGと知らず、
質問してしまう面接官も少なくないようです。
今一度、採用担当者間で周知しておきましょう。
応募者の目線になって面接しよう
面接担当者にとって、目の前の応募者は、
数ある応募者のうちの1人に過ぎないでしょう。
しかし、応募者にとっては、
これから働くかもしれない企業との面接なのです。
目の前の人材を多くの応募者の1人として扱うのではなく、
面接を通して「自社のファンになってもらう」という気持ちで
面接に臨みたいものです。
自社に応募してくれた応募者に、
「この会社の選考に参加できて良かった」
と思われるようにするにはどうしたら良いかを
ぜひ考えてみてください。
Lesson9では、採用担当に必要とされる知識とスキルについて
解説します。

