
Lesson7では、求める人材を採用するための、
成功ポイントについて考えていきましょう。
なぜ新卒を採用するか?を考える
多くの会社では新卒採用をしていますが、
自社がなぜ新卒採用をするのか考えたことはありますか。
ほとんどの採用担当者は、なぜ、新卒採用をするのかと聞かれると、
戸惑うようです。
それでも理由をあげると、たいていの場合は、
「他社のカラーや風土に染まっておらず、
自社の社員として一から育成しやすい」
というものです。
しかし、今は大量情報時代であり、
大学生は多くの情報にアクセス可能です。
そうした中で、さまざまな企業の風土や就業観などを、
入社前に知ることができるようになりました。
このような環境の中では、たとえ就業経験がなくとも、
少なくとも「まっさらな状態」ではないと言えます。
また、
「新卒の方が中途よりも会社に長く働いてもらえる。
だから新卒を採用するんだ」
という意見もあります。
これにも語弊がありそうです。
多くの会社は、新卒で採用した社員に対して、
一定の時間をかけて入社研修をおこなったり、
OJTなどのフォロー体制をしっかりしています。
だからこそ比較的定着率も高くなるのです。
それでも新卒採用で1年以内に離職する人は、
3割以上となっています。

一方で、中途採用は基本的に即戦力なので、
研修もそこそこに、すぐに配属というパターンが多いようで、
これが定着率を下げる要因となっているのでしょう。
中途採用でも入社後の研修やフォローをしっかりと行い、
会社に馴染めるような取り組みをすれば、
定着率は上がります。
新卒採用はコストと手間がかかる
新卒採用はインターンシップや会社説明会、
採用広告の準備などで、とにかくコストと手間がかかります。
さらに内定後も内定者のフォローや内定式、入社式などと業務は続き、
入社してからも研修、OJT、教育…があります。
そのコストを中途採用に回せば、
もしかしたら少ないコストと手間で、優秀な人材を採用し、
定着率も上がるかもしれません。
流れに任せて何となく新卒採用をしているのなら、
今一度立ち止まって、
「なぜ、うちは新卒採用をしているのか」
「新卒採用は本当に必要か」
を考えてみましょう。
求める人材像を明確に
だからといって、新卒採用をやめて中途採用にした方が良い、
と言いたいわけではありません。
中途採用をしたところで、計画性がなければ採用はうまくいかないのです。
中途採用は即戦力になりますが、
「即戦力」という言葉も非常に曖昧だと思いませんか。
やはり採用で重要なのは、
新卒採用、中途採用に関わらず、
求める人材像を明確にすることなのです。
「即戦力があり、長く働いてくれる人」が欲しい時、
- どのように即戦力になってもらいたいのか。
- どのような成果を上げてもらいたいのか。
- 何を成し遂げてもらいたいのか。
- それをどれぐらいの期間でやってもらいたいか。
をはっきりさせる必要があります。

人に来てもらうために待遇を良くする?
人が来ない時、
「給与をあげる」
「残業を減らす」
「休みを増やす」
などの待遇を良くすれば、求める人材を採用できるでしょうか。
給与が上がれば一時的な効果は得られるかもしれませんが、
他社の給与の方が良ければすぐに離職してしまうかもしれません。
また「残業を減らす」「休みを増やす」というのも少々短絡的です。
なぜなら、「やりがい」を求めている人材は、
残業の少なさや休みの多さではなく、
「仕事を通して成長できる」
「大変でも目標を達成したい」
という仕事を求めているからです。
人事施策を見直す時には、
会社はどのような人材を求めているのか、
その人材に何をしてもらいたいのか、
そして、そのような人材は会社に何を求めているのか、
を考えてよく検討しましょう。
これまで新卒採用を当然のようにおこなってきた会社は、
改めて新卒採用が必要な理由を考えてみましょう。
また新卒採用に限らず、
これまで「当たり前だ」と思って実施してきた採用パターンについても、
本当に自社に合っているか一度よく検討してみると良いでしょう。
次のページでは、
採用を成功させるポイントについて、
「採用のPDCAサイクル」を中心に解説していきます。

