Lesson6-5 採用ステップ⑤

PULL型採用、PUSH型採用

前回のレッスンでは、
募集手段の種類と特徴について学びました。

このレッスンでは、それらをPULL型採用、PUSH型採用に分け、
どのように使い分けていくか学習しましょう。

PULL型

PULL型は、ユーザー側から企業にアプローチしてもらう手法です。

採用の場面においては、
企業が採用広告を出したり、合同説明会に出展したりして、
多くの求職者に対して情報を提供し、
その上で求職者からアプローチしてもらうプロモーション方法
になります。

現在の採用手法は、このPULL型が基本です。

  • 転職サイト
  • 転職フェア
  • ハローワーク
  • オウンドメディア

などが
PULL型に該当します。

PULL型は、アプローチできる人数が圧倒的に多いです。

新卒採用では、PULL型なら数百〜数千単位のエントリーを、
一回で集めることが可能です。

求職者からエントリーしてくるため、
志望度が高く、内定辞退率も低くなります。

しかし、候補者が集まり過ぎると、
説明会や選考に時間がかかってしまうという
デメリットも。

PULL型で採用する時には、求める人材のみに来てもらえるよう、
採用広告を作る際にはキャッチコピーやフレーズなどを
よく吟味する必要があります。

PUSH型

PUSH型とは、企業からユーザーに対してアプローチする方法で、
採用場面では会社から求める人材を探しにいく方法を言います。

前回学んだ採用手段としては、

  • ダイレクトリクルーティング
  • 人材紹介サービス
  • ソーシャルリクルーティング
  • リファラルリクルーティング

などがPUSH型に該当します。

PUSH型ではアプローチできる人数が限られ、
数十〜数百ぐらいにとどまるでしょう。

PUSH型の採用はコストはあまりかかりませんが、
たくさんの人にアプローチすることができないため、
とにかく地道な作業が必要で、手間と時間がかかります。

例えば理系の学生が欲しければ、
大学の研究室に直接赴いてみる、などもPUSH型です。

PULL型と異なり企業側からアプローチするため、
自社ファン層以外の求職者と出会うこともでき、
自社ブランド以上の候補者を採用できる可能性もあります。

また、自社の魅力があまり伝わっていない場合でも、
直接顔を合わせて説明することにより、
良い印象を持ってもらうことができます。

PULL型、PUSH型の使い分け

PULL型が有効なのは、
自社の採用ブランドが確立していて競合他社よりも優位性があり、
自社が求める人材にとっても魅力的である場合です。

一方で、自社の採用ブランドがまだ確立されておらず、
求める人材にとって魅力的ではない場合には、
PUSH型の採用が必要です。

先ほど、PULL型が基本の採用方法と説明しましたが、
現在ではPULL型と合わせて、PUSH型も使っている企業が多い傾向にあります。

中にはPUSH型のみに変えたという企業もあります。

まとめ

PULL型PUSH型
特徴・メディアを使って募集し、求職者からアプローチしてもらう。
・応募者は自社に魅力を感じて応募する。
・会社が求める人材に対し、会社側からアプローチする。
メリット・一度にたくさんの求職者にリーチできるので効率的。
・応募者が自社のファンのため、志望度が高く、内定辞退率が低い。
・自社ファン以外にもリーチ可能。
・自社ブランド以上の人材を採用できる可能性がある。
デメリット・自社のファン以外にリーチが難しい。
・同じような応募者が集まってしまう。
・手間と時間がかかる。
・自社ファン以外にもアプローチするため、志望度が低い傾向がある。

これまでのレッスンで、
採用に必要な社内での準備と、
募集手段やその使い方について学習しました。

しかし、採用を成功させるためにはまだ必要なことがあります。

それが「採用フローの設計」です。

次のレッスンからは、採用フローについて解説します。