
PULL型採用、PUSH型採用
前回のレッスンでは、
募集手段の種類と特徴について学びました。
このレッスンでは、それらをPULL型採用、PUSH型採用に分け、
どのように使い分けていくか学習しましょう。
PULL型
PULL型は、ユーザー側から企業にアプローチしてもらう手法です。
採用の場面においては、
企業が採用広告を出したり、合同説明会に出展したりして、
多くの求職者に対して情報を提供し、
その上で求職者からアプローチしてもらうプロモーション方法になります。
現在の採用手法は、このPULL型が基本です。
- 転職サイト
- 転職フェア
- ハローワーク
- オウンドメディア
などが
PULL型に該当します。
PULL型は、アプローチできる人数が圧倒的に多いです。
新卒採用では、PULL型なら数百〜数千単位のエントリーを、
一回で集めることが可能です。
求職者からエントリーしてくるため、
志望度が高く、内定辞退率も低くなります。
しかし、候補者が集まり過ぎると、
説明会や選考に時間がかかってしまうという
デメリットも。
PULL型で採用する時には、求める人材のみに来てもらえるよう、
採用広告を作る際にはキャッチコピーやフレーズなどを
よく吟味する必要があります。
PUSH型
PUSH型とは、企業からユーザーに対してアプローチする方法で、
採用場面では会社から求める人材を探しにいく方法を言います。
前回学んだ採用手段としては、
- ダイレクトリクルーティング
- 人材紹介サービス
- ソーシャルリクルーティング
- リファラルリクルーティング
などがPUSH型に該当します。
PUSH型ではアプローチできる人数が限られ、
数十〜数百ぐらいにとどまるでしょう。
PUSH型の採用はコストはあまりかかりませんが、
たくさんの人にアプローチすることができないため、
とにかく地道な作業が必要で、手間と時間がかかります。

例えば理系の学生が欲しければ、
大学の研究室に直接赴いてみる、などもPUSH型です。
PULL型と異なり企業側からアプローチするため、
自社ファン層以外の求職者と出会うこともでき、
自社ブランド以上の候補者を採用できる可能性もあります。
また、自社の魅力があまり伝わっていない場合でも、
直接顔を合わせて説明することにより、
良い印象を持ってもらうことができます。
PULL型、PUSH型の使い分け
PULL型が有効なのは、
自社の採用ブランドが確立していて競合他社よりも優位性があり、
自社が求める人材にとっても魅力的である場合です。
一方で、自社の採用ブランドがまだ確立されておらず、
求める人材にとって魅力的ではない場合には、
PUSH型の採用が必要です。
先ほど、PULL型が基本の採用方法と説明しましたが、
現在ではPULL型と合わせて、PUSH型も使っている企業が多い傾向にあります。
中にはPUSH型のみに変えたという企業もあります。
まとめ
| PULL型 | PUSH型 | |
| 特徴 | ・メディアを使って募集し、求職者からアプローチしてもらう。 ・応募者は自社に魅力を感じて応募する。 | ・会社が求める人材に対し、会社側からアプローチする。 |
| メリット | ・一度にたくさんの求職者にリーチできるので効率的。 ・応募者が自社のファンのため、志望度が高く、内定辞退率が低い。 | ・自社ファン以外にもリーチ可能。 ・自社ブランド以上の人材を採用できる可能性がある。 |
| デメリット | ・自社のファン以外にリーチが難しい。 ・同じような応募者が集まってしまう。 | ・手間と時間がかかる。 ・自社ファン以外にもアプローチするため、志望度が低い傾向がある。 |
これまでのレッスンで、
採用に必要な社内での準備と、
募集手段やその使い方について学習しました。
しかし、採用を成功させるためにはまだ必要なことがあります。
それが「採用フローの設計」です。
次のレッスンからは、採用フローについて解説します。

