
もしもあなたの会社の採用が効率よくできていないと思うなら、
これまでの採用活動を見直す必要があります。
多くの会社では「人材を採用する」という場合に、
「ではどうやって募集をしようか」と考えます。
採用といえば「募集」からがスタートなので、
どのように募集をするか考えるのは採用活動のメインとなるように思うでしょう。
しかし、こうした思考法では、
ほとんどの場合は求める人材を採用するに至りません。
それはなぜでしょうか。
まずは求める人材を明確にしてからでなければ、
それに合った最適な募集手段を決めることはできないからです。
さらに、求める人材を明確にするには、
なぜ採用が必要なのかも考える必要があります。
つまり、募集手段を決めるのはこれらについて明らかにした後になります。
採用がうまくいかない時、
多くの担当者は「採用手段」が悪いのではないかと考えますが、
それは違います。
採用の失敗は、
「求める人材を集められていない」
「求める人材に自社の魅力をアピールできていない」
「求める人材の自社への志望度を高められていない」
ことが要因です。
Lesson6では、どのように採用活動を進めれば、
効率的に求める人材に出会えるかを、
ステップごとに学習していきましょう。
① 会社で働く目的は何か

採用プロセスでまずはじめに考えることは、
「求職者が会社で働く目的」です。
ここで1つ考えてみてください。
あなたが掃除機の購入を検討しているとします。
Aの商品:この掃除機は、機能性が高く、軽くて、使いやすいです。
Bの商品:この掃除機は、機能性が高く、軽くて、使いやすいです。
私たちは日常のお掃除がもっと手軽で簡単になるように、
信念を持って日々商品の開発に努めています。
どちらの掃除機に惹かれますか?
ほとんどの人は、Bの掃除機に惹かれたのではないでしょうか。
採用でもこれと同じことが起こります。
目的や信念があって、それを実現するために採用する。
求職者はまさにそこが知りたくて、
そしてそれに共感するからこそ応募するのです。
会社の現在と未来
求職者が会社で働く目的は何かを考える時、
まずは会社の現状を把握することと、
その次に会社の未来を思い描いているでしょう。
会社の未来を思い描いた時、
まだ現状には足りていないものがあるはずです。
目標に向かって進んでいくためには、
そこを埋めていかなければならず、
それには今、新たな人材が必要であり、
だから採用をするのだと認識しなければなりません。
そして、そこに共感して目標達成に貢献したいと思えるからこそ、
求職者は「この会社で働きたい」と思うのです。
社員はなぜ自社で働いているのか?も考えてみる
経営者は、社内で働いてくれている社員が、
どのような思いで働いているかを意外と知らないものです。
新社員が自社で働くことを決めたのは、
何らかの魅力や期待があったからでしょうし、
長年働いている社員は、
何らかの価値を会社に見出しているから働いているのでしょう。
この会社で将来どうなっていきたいのか、
思い描けているからこそ働き続けているはずです。
こうした社員の思いを知っておくことは、
「求職者が会社で働く目的は何か」を考える時に、
必要な要素となります。
なぜなら、このような社内内部の心理に共感できる人物こそが、
求める人材の中でも採用すべき人だからです。
そしてこのような、会社で働くことで得られる価値を採用でアピールすれば、
共感する人材からの応募を得ることができるでしょう。
こうした信念や価値観は、
入社後の社員教育ではなかなか変えることは難しいものです。
だからこそ最初のステップでしっかりと明確にし、
共感してくれるような人材を採用しなければなりません。
次のページでも、採用ステップの続きを解説していきます。

