Lesson4-3 人材育成②

人材育成方法はいくつか種類があります。

社内の教育プログラムがしっかり機能していれば、
社員は新たな能力の獲得やスキルアップをして成長するため、
離職率の低下を防ぐこともできます。

優秀な人材を育て、活躍してもらうにはどのような育成が必要でしょうか。

キャリア開発

キャリア開発とは、企業が自社の社員が理想的なキャリアを形成するために、
必要なスキルや職務を計画して、中長期的に成長を促していくことです。

職務を通してスキルや知識を効率的に習得することと、
将来像をイメージすることで、社員の仕事に対する意欲の向上を
目的とします。

キャリア開発は具体的に、次の3つが行われます。

自己申告制度

社員自身がこの先やってみたい仕事を、
希望として会社に定期的に申告する制度が、
自己申告制度です。

自己申告制度があることで、
本人の希望を反映させた人事異動をすることができ、
社員が納得して仕事をすることができます。

また、ただ日々の業務をこなすだけではなく、
自分のこれからのキャリアについて考えさせることもできます。

ヒューマン・アセスメント

上で学んだように、キャリアの方向性は社員本人の希望を汲むべきですが、
そこに本当に適性があるかは、本人でもわからないものです。

そこで、第三者(本人や上司以外の人物、または外部委託)によって、
面談や適正検査を実施してもらい、適正や資質を客観的に測るのが、
ヒューマン・アセスメントです。

第三者に公平に評価してもらえるので、
社員は評価に納得し、受け入れやすいというメリットがあります。

キャリアカウンセリング

どのようなキャリアを積んでいきたいかは、
社員1人1人が自分で考えることですが、
自分の能力やスキルをもとに希望や使命を考えることは、
実はとても難しいことです。

そこで、社員が自分のキャリアの方向性を定める手伝いをするために、
相談にのったりするなどのサポートが必要になります。

これがキャリアカウンセリングです。

人事部門の担当者がキャリアカウンセリングの知識を身につけることで、
社員の相談を受け、適切な助言や指導も行えるようになります。


キャリア開発をすることにより、
社員は自分の将来像を描きやすくなりますが、
会社の都合などですぐに配置換えできない場合があり、
本人の希望に沿えないこともあります。

キャリア開発を行う際には、
そのような点も考慮して指導にあたることが大切です。

OJTとOFF-JT

OJTとは職場内訓練のことで、
上司や先輩が部下や後輩に対して仕事を通して指導を行い、
業務に必要な実践的なスキルや能力を教えることです。

仕事中に教えるため費用がかからず手軽ではありますが、
職場や教育担当者によって内容にバラつきがあるというデメリットがあります。

OFF-JTは職場外訓練を意味し、
職場の外で職務に必要な理論的な知識や技術を学ぶ研修などを指します。

次のページで説明する研修なども、OFF-JTになります。

OFF-JTは対象の社員の都合を合わせる労力を軽減するために、
eラーニングなどで行われることも多くなっています。


次のページもこの続きとして、
人材育成プログラムにはどのようなものがあるか解説を進めます。