Lesson3-1 人事のスケジュール

このレッスンでは、人事の具体的な仕事内容について解説します。

人事部門の業務範囲は多岐に渡り、
さらに担当によっても業務内容は変わりますが、
毎年定期的に発生する業務があります。

年間スケジュールで業務をしっかり把握しておくことで、
効率よく仕事を進めることができるので、
このページでは1年間の業務全体を学んでおきましょう。

なお、採用に関しては講座の後半から詳しく解説していきますので、
このレッスンでは採用以外の人事業務についてとなります。

季節別の業務内容

春〜夏/4月〜9月

社員の給与計算

多くの企業では、年度初めの4月に給与の見直しが行われます。

昇格・降格に伴う給与改定がある場合には、
このタイミングで漏れなく更新しておきます。

また、この時期は引越しが多い時期でもあり、
それによって社員のライフスタイルが変わるため、
通勤手当や住宅手当の変更が必要になる場合もあります。

さらに、賞与は夏季に支払われることが多いため、
目標達成や勤務態度などに応じた査定もこの時期です。

人事異動

人事異動はこの時期が多いため、
その準備や発令など、人事異動に関する業務が発生します。

社会保険・労働保険の手続き

新入社員入社に伴い、
社会保険、労働保険に加入させる手続きがあります。

また、労働保険の更新手続きが年に1度ありますが、
届出は6月〜7月です。

算定基礎届の提出

社会保険料は標準報酬月額をもとに算出されますが、
報酬は昇給・減給などにより毎年変動するため、
年に1回見直されます。

算定基礎届は、
その見直しのために企業が日本年金機構に提出する大事な書類ですが、
届出が7月になります。

秋〜冬/10月〜3月

賞与計算

12月は多くの会社で冬季賞与の支給がおこなわれます。

会社の業績、個々の評価などに応じて賞与が計算されます。

年末調整

年末調整は年間を通してもっとも手間と時間がかかる業務の1つです。

社員の所得税などの精算が主な業務ですが、
書類の作成や社員とのやり取り、チェック、計算など、
多くの業務が発生します。

給与支払い報告書

給与支払報告書とは、
前年中の給与額などを社員が居住する市区町村に
報告するための書類です。

市区町村はこの報告内容をもとに、従業員の個人住民税の金額を決定するため、
期日(1月31日)までに通知する必要があります。

春闘

2月〜3月に、労働組合が経営者側に対し、
賃上げや労働条件の改善を求めるためにおこなわれる交渉が春闘です。

これを受けて3月に労使協定などの締結が行われます。

年間を通した業務

健康診断

健康診断の実施は企業の法的義務なので、
社員は1年に1回、医師による健康診断を受けます。

50人以上の社員を有している企業の場合は、
定期健康診断結果報告書を、労働基準監督署に提出する必要があります。


人事部門の大まかな年間スケジュールについて
解説しました。

次のページではこれらの業務を年間スケジュールとして、
一覧にまとめます。