
採用活動のやり方を見直し、内定者フォローもしっかり行い、
求める人材が獲得できたらひとまず採用は成功です。
しかし、せっかく入社してくれたすばらしい人材が、
すぐに辞めてしまっては元の木阿弥です。
そこで重要になってくるのが、
人材の定着と戦力化になります。
このレッスンでは、新人教育の基本について学習していきましょう。
会社で働くのに必要な基礎的なスキル
① 新人に教えるべき心構え・価値観
まずは、会社で働く上で必要な、
基礎的なスキルからしっかり教育していく必要があります。
それは、心構えや価値観の教育です。
多くの企業では、早く新人に即戦力に育ってほしくて、
実務的なスキルから教育する傾向がありますが、
まずはじめに心構えや価値観を鍛えておくことは、
遠回りのように思えて実は戦力化への近道なのです。
選考を通過し内定を獲得した人材なので、
自社の理念に共感する点はある程度は選考時にふるいをかけられ、
最低限の基準はクリアしています。
しかし、会社で働くにはまだ不十分な状態なので、
入社後に改めて教育する必要があるのです。
心構え・価値観のうち、新入社員に求められるのは次の性質です。
主体性
新入社員は、新卒なら特にそうですが、
初めはわからないことだらけです。
新入社員が入ってきても、
既存社員がずっとつきっきりで教育ができるわけではありません。
不明点があった時に、
先輩社員が教えてくれるのを待つのではなく、
自分から聞きに行ったり、
自分で考えて行動できる主体性が必要です。
また、変化が激しいこの時代では、
新しいことが次から次へ起こっては、なくなっていきます。
ちょっと前に価値があったことも、
数年すると価値がなくなってしまうのです。
このような時代では、
会社から指示を受けなくても時代の変化を読み取り、
自分で学び続けようとする意欲も必要になります。

目標意識
ただ日々の業務をこなすだけではなく、
目標を立ててそれを達成していくことの繰り返しが、
成果につながります。
会社の成長戦略と同じ方向を向き、
それに向かって努力することで、
会社への貢献も果たせます。
協調性
企業で社員として働く以上、
協調性は必ず必要になります。
特に入社して間もない頃は、
先輩や同僚に助けられながら仕事をすることになるでしょう。
組織の一員として、
お互いに気持ちよく仕事ができるよう心がける意識が必要です。
謙虚
これは上の協調性にも通じる性質になりますが、
新入社員の時は特に、
謙虚であることは大切です。
自分が思っていたのとは違うやり方であっても、
上司や先輩の教えをまずは素直に聞き入れ、
自分の仕事に取り入れていく姿勢が必要です。
また失敗してしまった時もそれを受け入れて、
次の仕事に活かしていこうとすれば、
成長のスピードも早くなります。
これらのような、仕事で必要な心構えや価値観を、
入社してからまず最初に教育し、自社で働く基盤をつくりあげましょう。
② ポータブルスキル

ポータブルスキルはビジネスに必要な基礎的なスキルのことで、
会社、職種、部署が変わっても使うことのできる、
「持ち運べるスキル」のことです。
ポータブルスキルのうち、
次のスキルが新人社員には必要になります。
コミュニケーション
コミュニケーション能力が指すものは幅が広いですが、
この能力はどこに行っても必要な能力です。
その1つに、上司や先輩社員から指示されたことを正しく理解し、
業務を進められる能力があげられます。
指示されたことをやるだけなので誰でもできそうですが、
上司や先輩が意図していることを理解できないと、
新人がしっかりやったつもりでも、
「なぜ言われた通りにできないんだ」
という食い違いが発生してしまいます。
このようなビジネスパーソンは意外に多く、
若手社員では特にその傾向が顕著です。
例えばプレゼンを作成するように指示された時、
多くの人はプレゼン資料を上手に作ることに一生懸命になるでしょう。
それも重要ですが、本当に必要なのは、
指示をした上司が求めている内容は何か、
プレゼンを受ける相手が求めている情報は何か、
意図や背景をまずは考えなければならないのです。
問題解決能力
会社で働くことは、日々チャレンジの繰り返しで、
壁にぶつかったり、失敗することをたくさん経験します。
ビジネスパーソンである以上、
問題や課題を解決するための方法を考え、
そして行動するというスキルは必須になります。
それが会社全体の成長にもつながるからです。
しかし、新人社員は問題解決能力がない場合が多いです。
失敗してしまった時、
「失敗してしまった原因は何か」
「失敗を防ぐ方法は何か」
「そのためにはどのような行動が必要か」
と考えさせることを新人教育で教えましょう。
新人教育の基本として、
- 心構えや価値観
- ポータブルスキル
について解説しました。
新卒や第二新卒では、特に必要になる教育です。
これらの基礎的な教育を徹底しておこなった上で、
業務に必要なテクニカルスキルを教えていきましょう。
こうした適切な教育が、
新人社員の定着につながるのです。

