Lesson9-2 採用担当者に求められるスキル②

前回のページでは、
採用担当者には情報を収集するスキルが必要であることについて解説しましたが、
採用担当者に求められるスキルは多様です。

今回は、採用担当者に必要なその他のスキルについて解説します。

ライティング力

ライティング力は採用担当者に求められるスキルの1つです。

例えば募集要項の内容は、仕事内容や職種、応募資格などはもとより、
求職者が求めている情報も、
わかりやすく明確に伝えられるライティング力が必要です。

企業が効率よく採用活動をしたいと考えているのと同じように、
求職者も、効率よく就職活動をしたいと考えているからです。

また募集要項には、自社の魅力や強みばかりをまとめてしまいがちですが、
良いことばかりの募集要項では、信用されません。

募集要項に良いことばかり書かれていると、
入社してから「こんなはずじゃなかった」と思われてしまいます。

求職者は、会社の魅力的な部分はもちろんですが、
良くない部分も、リアルな部分も知りたいものです。

採用担当者は、アピールポイントと
ネガティブなポイントのバランスを考えて、
募集要項を作成する必要があります。

ライティング力がなければ他社と同じような内容になってしまい、
たくさんの募集要項に情報が埋もれてしまうでしょう。

プレゼンテーション力

特に新卒採用をしている企業では、
プレゼンテーション力は採用担当者に欠かせないスキルとなっています。

このスキルは主に会社説明会で発揮されます。

会社説明会の後は求職者に、

「この会社を受けてみたい」

と思ってもらえなければ意味がありません。

それには求職者の目線に立って、
自社の魅力をアピールしていかないとなりません。

よくある会社説明会の悪い例としては、

ホームページや募集要項でもわかるようなことなどの、
一般的な内容をただ説明するだけの説明会です。

このような会社説明会では、
求職者は情報に新鮮味を感じず、
貴重な時間を使ってまで参加する必要はなかったと、
マイナスのイメージを持ってしまいます。

また、採用担当者が一方的に説明するだけの説明会も、
よくあります。

限られた時間の中で、
できるだけたくさんの情報を伝えたいという思いはわかりますが、
このような説明会は、参加者の集中力が途中で切れてしまい、
一生懸命説明してもらっても内容が頭に入ってきません。

こうした説明会にならないよう、
プレゼンテーション力を磨く必要があります。

例えば、

一方的に話すのではなく、
参加者に質問を投げかけながらプレゼンする

「ただ説明するだけでなく、
その中に実際に自分が仕事をする中で体験したエピソードを織り交ぜ、
リアルな情報を伝える

といった方法などがあります。

コミュニケーション力

コミュニケーション力も、
重要なスキルの1つです。

上で解説したプレゼンテーション力も、
コミュニケーション力に含まれるでしょう。

採用担当者は、求職者だけではなく、
社内のさまざまな人と関わりながら業務を進めていかなければなりません。

例えば、経営層や管理職に面接官を依頼したり、
OB・OG訪問の相手をお願いしたりしなければなりません。

面接では応募者から必要な情報を聞き出すために、
多角度から質問するスキルも求められます。

また採用活動のやり方によっては、
人材紹介会社に人材を探してもらうこともあるでしょう。

そのような場合には、自社が求める人材を的確にわかりやすく
説明する必要もあります。

このように採用担当者は、
採用業務の至るところで高度なコミュニケーション力が求められているのです。

調整力、管理力

採用担当者は、採用フローに沿って日程を組んだり、
関係者に連絡して調整したりする仕事が多いです。

候補者との面接日を調整したり、
外部のリクルーターなどにも連絡を取ることが多いでしょう。

社内外の関係者との連絡、日程調整、
そしてそれを管理する能力が求められます。

採用担当に向いている人

採用担当に向いている人は、
上で説明したスキルを持っている人になります。

しかし、もう1つ大切なことがあります。

それは「自社へのエンゲージメントが高いこと」です。

採用担当者は求職者に自社の魅力を伝えていくのが仕事ですから、
会社に愛着があった方が説得力も高くなります。

採用担当者が自社に愛着があるかどうかは、
求職者にも伝わります。

やりがいを持っていきいきと働いている採用担当者は、
求職者の目にも良い印象に映るでしょう。


採用担当者に求められるスキルについて解説しました。

次のページでは、このレッスンでも解説した「ライティング力」に関連する内容で、
「スカウトメールの書き方」について学習しましょう。