Lesson1-1 人事の基本①

人事とは

企業における「人事」の仕事とは何でしょうか。

簡潔に言うならば、
「経営と社員のキャリアビジョンの方向性を合わせる」
という仕事になります。

企業にはそれぞれ、経営理念・経営方針があります。

経営理念とは、経営者の信念に基づいて、
目的や使命などを表したものです。

経営方針は、経営理念に基づいて、事業を展開するための行動を
具体的に表したものです。

企業においては、
経営理念・経営方針に賛同し、
それに則って仕事ができる人材こそが必要な人材となります。

また、企業は目的や使命達成のために経営戦略を定めますが、
経営戦略に基づいて各部門の事業計画を制定し、
各々の社員がやるべきタスクを明確にしていきます。

つまり、経営戦略に必要な人材を採用、
教育、配置するのが人事の主な仕事となるのです。

人事業務の機能

人事業務を機能で分けて考える場合、
以下の6つに分けることができます。

1.採用企業の外部から必要な人材(今後の事業展開のために必要なスキルを持った人材)を
企業内に採り入れる活動。
2.育成企業の内部の人材を、
企業の経営戦略を実現するための人材に育てる活動。
3.配置企業内部の人材を、
業務やポジションとマッチングする活動。
4.評価ミッションや目標、行動、成果の達成度に基づき、
社員を評定する活動。
評価制度はルールを細かく定める必要がある。
5.報酬一定期間の評価に基づき、
社員に分配する価値を決める活動。
報酬には金銭的報酬のほか、
権限の付与などの非金銭的報酬がある。
6.代謝内部にいる人材を外部に退出してもらう活動。
定年退職やリストラ、転職などがこれに該当する。

6つの機能を見ればわかるように、
それぞれの機能は相互に関連しています。

しかし、多くの企業では機能ごとに担当者が異なるため、
それぞれがバラバラにおこなわれ、
これらの業務に一貫性がなく、パフォーマンスが低くなっているのが現状です。

例えば採用と育成の担当が情報共有をしっかりおこなっていない場合、
次のようなことが起こり得ます。

「採用ではスキルや経験よりもポテンシャルを重視し、
新卒や第二新卒者などの若手求職者を採用したにも関わらず、
育成にコストや時間をかけない」

これではせっかく人材を採用してもパフォーマンスは向上しません。

このような問題を防ぐには、担当者が各機能を兼務したり、
担当者間の情報共有の場を増やすなどの対策が必要です。

人事・採用の詳しい仕事内容については、
以降のレッスンで詳しく解説していきます。


以上、人事の基本について解説しました。

次のページでは、人事の役割や目的について学習していきます。